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愛知県障害者スポーツ指導者協議会 

顧問 森長研治さん

2003.5.10

「新障害者基本計画」が2002年12月24日に閣議決定をうけ、計画が実施。
私たちが関わっている「障害者スポーツ」がこの計画の中でどのような位置付けにあるのか
また、15年4月1日から障害者の制度が大きく変わった。
今までの「措置」といわれたものから、障害者自らが自分の意志で選択できる「契約」といわれる「支援費制度」へと。
福祉現場は、サービスのありかた、支援のあり方について、今一度振り返り、見つめ直す時期であり、
それは「スポーツ指導員」と言われる私たちも同じであると考える。
スポーツの技術、知識と同様に、いやそれ以上に支援のあり方について、考えなければ・・・
そんな意図でもって「第1回研修会」を行った。  

支援費制度について  新障害者基本計画(PDFファイル) と 新障害者プラン 重点施策実施5か年計画 (PDFファイル)




「生活の中に『スポーツ』があるという視点でおさえたい」 (森長)


昭和40年岐阜国体にあわせて第1回全国身体障害者スポーツ大会開催。


障害者スポーツは

2001年平成13年         

第1回全国障害者スポーツ大会(宮城)として生まれ変わる

 第2回大会(高知) 
 第3回大会(静岡)
全国身体障害者スポーツ大会スローガン

1回 明るく 強く          
2回 強く 明るく たくましく
3回 やればできる
4回 忍耐と 努力と 栄光を
5回 自助の祭典
6回 明日を築く 自立の祭典
7回 希望にみちて たくましく
8回 頑張るぞ 熱と力と根性で
9回 くじけるな 負けるな 強く胸をはって
10回 友愛と 希望で結ぶ 集いの輪 
11回 友愛の輪から わく夢 わく力 
12回 がんばって はげまし合って わく力・・
17回 わたしにも こんな力が 生きがいが
20回 この力 伸ばそう 生かそう たくましく
24回 さわやかな 汗よ 笑顔よ 友情よ
25回 君がうて 希望の鐘を エルムのまちに
26回 ふりむくな ちからの限り飛び立とう
27回 ほほえみに 広がる友情わく力
28回 思いっきりのびやかに さわやかに
29回 今翔びたとう 友と心の手をつなぎ
30回 あなたがタッチ 心のバトン
31回 つなぐ手に あふれる感動わく勇気
32回 げんき かがやけ
33回 ときめいて今 はばたいて未来
34回 あなたと握手 あなたと拍手
35回 がんばるがいっぱい
36回 自分にチャレンジ 明日にチャレンジ

全国障害者スポーツ大会スローガン

1回 感動体感 2001
2回 見つけて夢 活かして力
3回 静岡でかなえよう夢 つたえよう感動
 左の各スローガンだけをみても、障害者をとりまく社会の変遷がうかがえる。

 とても重たいスローガンもある。努力すればなんでもなるように思ってしまったり、逆に何もできない人は努力が足りないという印象を与えてしまう。

17回は国際障害者年(開催県は滋賀)

30回は愛知県で開かれた特別な想いがある大会。


 スローガン全体を見渡すと、社会的な価値観、位置づけの違いを感じる。例外的なスローガンもあるが、柔らかい感じに変わってきているし、「ゆめ」「いかす」「みんなで」・・・という言葉が多くなってきている。
 スポーツの世界もこんなふうに変わってきている。


変わってきた要素はいろいろある。経済的な要素もあるが、根底には「福祉施策のもとに変わってきている」。
最近の動きとして「障害者プラン」。なかみを5年間に限定し、目標値を設定し具体的な数字で示している。

これからの障害者福祉


2003年平成15年からの10か年計画
  新障害者基本計画
2003年から5年間計画
  重点施策実施5か年計画
2003年
  措置制度から支援費(契約)制度への移行

 新障害者基本計画の目的とするところは、障害者の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重して、支え合う共生社会とする必要がある、というのが計画の本質

新障害者計画より

分野別施策の基本的方向

@啓発・広報

A生活支援  (基本方針)  
利用者本位の考え方に立って、個人のニーズに対応する生活支援体制の整備、サービスの量的・質的充実に努め、すべての障害者に対する豊かな地域生活の実現に向けた体制を確立する。
「生活支援」

 私達が支援しているスポーツもここに含まれる。利用者本位の考え方にたって個人のニーズに対応する。生活支援体制の整備、サービスの量的、質的の充実に努め、すべての障害者に対して豊かな地域生活の実現にむけた体制を確立するとある。「利用者本位の生活支援体制の整備」
 スポーツ大会に参加するためには、まず会場に行くことができなくてはならない。在宅の人、または人生の大半を病院で過ごしてる人もおられる。病院から退院しても社会的な経験があまりないから家のなかで生活している人、本当はなんとか大会に出たいんだけど、どうしていいかわからない・・・といったこともあるかもしれない。
 身近な相談体制の構築が大切、必要。

在宅サービス等の充実

●在宅サービスの充実
  ・ホームヘルプサービス
   ヘルパーの養成・研修
  ・デイサービスの充実
●住居の確保
  ・グループホーム・福祉ホーム充実
●自立及び社会参加の促進
  地域生活を支援する情報提供、
当事者間の情
報提供・相談支援の拡充 


「自立及び社会参加の促進」

 ここでいう「自立」というのはかっての昔のパラリンピックの時の「自立」とは違う。昔の自立というのは、「自分のことは自分でしなさい」「なんでも自分でできる」というのが自立。でも今は「自立」というのはそういう形ではとらえていない。
 「一定のサービスがあれば生活できる」これを自立といいます。僕も昔風なとらえたかで「自立」といわれると、自立できていない。自給自足みたいな生活をしているときは、文字とおり「自立」というのは自分のことは自分でしなさい。というところがあった。今はあるサービスをうまく活用して生きていくこと、人材も含めて。これを「自立」という。「できないことはできない」「できないことは助けてもらう」という前提に立っている「自立」である。


新障害者計画の中での障害者スポーツの位置づけ


スポーツ、文化芸術活動

●障害者自身が多様なスポーツ、文化芸術に親しみやすい環境を整備するという観点から、障害者の利用しやすい施設・設備の整備の促進および指導員等の確保を図る。
●文化芸術活動の公演・展示等において、字幕や音声ガイドによる案内サービス、利用料や入館料の軽減などの様々な工夫や配慮等を促進する。
●全国障害者スポーツ大会や障害者芸術・文化祭の充実に努めるとともに、民間団体等が行う各種スポーツ関連行事や文化・芸術関連行事を積極的に支援する。
●財団法人日本障害者スポーツ協会を中心として障害者スポーツの振興を進める。特に、身体障害者や知的障害者に比べて普及が遅れている精神障害者のスポーツについて、振興に取り組む。

 障害者計画の中で障害者スポーツはどう位置づけられているかというと、たったこれだけ。
 障害者基本計画はまだまだ続く中で障害者スポーツに関することはこれだけ。でも、たったこれだけですが、障害者スポーツそのもので障害者スポーツは成り立っていないということ。(ここがポイント)
 

 他にいろいろなサービスを複合して障害者スポーツは成り立っているということ。われわれのやっていることは、そういうこと。「スポーツだからスポーツのことしか考えない」そうではない。


まとめにかえて

 私たちが行っているスポーツ活動を通した障害者支援というのは、障害者の支援全体からみると、本当にごくごく一部でしかないが、実はすごく大きい意味が含まれてる。
 家にいて受けるサービスというのはそこで完結できるかもしれないが、電車に乗ったり、お弁当を用意したりとかいろんなことをしないと、スポーツ活動に参加できない方がたくさんいる。だから、単にスポーツだけを支援すればいいということではないということ。できればいろいろな方々と連携を持って、サービスが展開されればいいなと考える。
 障害の有無に関係なく、自らの意志で自らの選択によって、自らの活動をする。それを支援する、それは生活を支援するという大原則にたっている。生活の中にスポーツ活動も含まれている。お互いに支える、支えられるということ、共に生きていきましょうということ。できる人ができない人に手をさしのべるということは当たり前だということ。当り前だという前提は障害を理解しているからこそ当り前なんだということ、障害を理解していないと「そんなこと自分でやれ、自立しなさい」となってしまう。できないことはできません、ということ。障害をお互いに理解していれば、本当の意味で手をさしのべることができると考える。

このまとめは、研修会記録を研修委員(榊原)がまとめたもので、すべて正確に記載されているわけではありません。